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命みなぎる新緑の季節となりました。中庭のヤマボウシは、ゆさゆさと若葉を揺らし、白い花をつけています。小鳥のさえずりで目を覚ます朝、あぁ自然の営みのありがたさ、ささやかな日常を過ごしています。
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シャギ☆シャカ☆シャギ☆シャカ・・・
一定のリズムでもって夜の台所に響きわたるは、包丁を研ぐ音。
このシチュエーション、ムスメたちに言わせると 「かなり怖い」。
そういや、昔話にもあったっけ、そんなシーン。

切れ味の鈍い包丁ほど、イライラするものはありません。
道具は手入れして使うと、物事(この場合、調理)がはかどり、気分がよい。手入れをすることは道具に対する礼儀、コトに向かう意気込みの現れでもあります。といってたいそうな料理もできないのですが、まぁひとつここは「気づき」が大事ってことで。

家族を前にしてよく切れる包丁について語っても、しかたがありません。言葉で説明すると、お説教くさくなる。それならば「実演」するほうが効果的とばかり家族の集まる夜にわざとやります、しかもちょっぴり山姥の心境で。ワタシって確信犯、ふふっ。

いずれムスメたちも、自活する日がやってきます。おふくろの味をコンビニで買える時代になろうとも、自分で料理はできたほうが、いい。使い方さえ間違わなければ、包丁を始めとした道具類は、人間の手助けをしてくれる便利なツール。
昔話に登場する山姥や、週刊誌の見出しを賑わす青少年は使い方を間違えているだけ。夜な夜なピンピンに包丁を研ぐ母の姿(怖い!)は、家族に寄せる愛情あってこそ。大人になったとき、包丁の切れ味が悪くなる場面に直面したら、母を思い出してくれることを、願います。

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