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命みなぎる新緑の季節となりました。中庭のヤマボウシは、ゆさゆさと若葉を揺らし、白い花をつけています。小鳥のさえずりで目を覚ます朝、あぁ自然の営みのありがたさ、ささやかな日常を過ごしています。
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イエを建てたらしたいことのひとつに、キモノを着ることがあった。
昨日小紋を着て神社に初詣した。
ムスメ2に帯結びを手伝ってもらってやっとこさ着ることができた。着付けるのに2時間もかかってしまい、待ちくたびれた家族からはブーイングの嵐。

キモノを着るのは、たやすくはない。でも昔の人はみんな自分で着ていたのだし、オットの母も法事や何かの折には一人でさっと着付けていらっしゃる。自分で着られたらかっこいいな、ステキだなとずっと思っていた。

やはり何度も袖を通して着慣れることが、キモノへの近道だ。今日も着ることにした。今日は、大島紬にしよう。紺地に赤がところどころあしらわれた大島紬は、普段着っぽくて地味な雰囲気。昔習った帯結びを思い出し、昨日より早く着付けることができた。

割烹着をつけてお勝手仕事をしていると、ムスメ2が言う。
「サザエさんに出てくるフネさんみたい」。
典型的な日本の母、そんなふうに見えますかしら(照)。

ムスメ1は
「おかあさん、今日もなんでキモノ着てるのん?」
「着たいから着てんねんよ」
「・・・・・(汗)」
「今度参観日にも着ていくかも」
「そ、それだけはヤメテ!お願い」

母がキモノを着ていると、尋常ではないようにムスメたちには映るらしい。わからないでもない。今やキモノはハレの日や行事のときの特別な衣装となってしまった。でも、着たいから着る。そんな着方があってもいい。これからは袖を通す機会が多くなるだろう。4畳半の白い和室は、いっとき着付け部屋になる。

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