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命みなぎる新緑の季節となりました。中庭のヤマボウシは、ゆさゆさと若葉を揺らし、白い花をつけています。小鳥のさえずりで目を覚ます朝、あぁ自然の営みのありがたさ、ささやかな日常を過ごしています。
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働き者でパワフルな実家の母であるが、ひとつ困ったことがある。それは事実を自分のフィルターを通して受け取り、無用な心配に心を砕いてしまうことである。そのフィルターには、子を思う愛情ゆえの心配性という細かい網目が張られている。
子どもや孫のことになるとその現象はなはだしい。子を思うありがたい親心なのだが、心配性は直したほうが自分のためなのでは、と思う。。。

先日の能登半島地震で、幸いにも我が家は人的被害も建物の被害も受けなかったのだが、テレビの映像を見て能登はたいへんなことになっている!と彼女的パニックに陥っている模様。
被災された方はお気の毒なのは事実だが、私たちも避難生活を強いられているのだと母の頭の中では虚構の事実が出来上がっている(マイッタ)。

1日に何度も、余震のこと、地震発生時のこと、新築した家が無事だったかを心配する電話が入る。心配してくれるのは、本当にありがたい。が、被害を免れたにもかかわらず、怖い思いをしただろう・・・と涙しているというから、心配性もここまでくれば口を挟む余地はない。かかってくる電話には、努めて明るく対応するしかない。

ニュースで放映される現地の被害の様子は、まぎれもない事実であるがまったくの事実でもない。正確には、事実の一部を切り取っているのだ。編集された時点でおのずから脚色されてしまうのである。ビジュアルでパーンと見せるテレビの効果は、良くも悪くもインパクトが強い。また地名のくくり、「能登」という地名に、母なりに娘の嫁ぎ先という思いが強くあり、言葉を聞いただけで条件反射的に涙腺が反応してしまうようだ。

テレビは人々の不安をむやみに煽ってはいないか。ニュース番組を見ると不安が増大してやりきれない気持ちになるのは私だけだろうか。テレビ映像と事実にはズレがあることを念頭に置いてテレビと向き合わなければ、振り回されてしまう。

母よ、そんなに心配しないでくださいね。

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